「ヒトが人となり人間となるには教育が不可欠だ、と通常いわれる。ヒトとは何か、人とは何か、人間とはどういう意味か、まして教育によって人間となるのはどういうことか、教育を受けたにもかかわらず—いや教育を受けたからこそか—社会的有用性や個体としての自立性に欠ける者を淘汰して当然とするような考え方が生れてくるのはなぜか」(序より引用)。人間の存在を「自然」のなかに根源的に捉え、真摯に「教育」とはなにかを問いかけた秀逸な現代教育学論稿集。