豪商という言葉の響きは耳に心地よいが、そこへ達する道は狭く険しい。豪商となりえた男たちの努力や執念にはすさまじいものがある。豪商に共通することというと「始末してきばる」を徹底的に追及し、熱い志を持っていたことである。また、多くの豪商は高い倫理観をもって自らを律するとともに社会貢献も忘れなかった。江戸時代から明治時代までの豪商の経営哲学、理念は現代の経営者にとっても教訓とすべきところが多々ある。