「アウトノミア運動」とは 何だった/何であるのか?
1977年――すべての転回が起こった年! イタリアでは、 労働を人生のすべてとは考えない若者たちによる、 激しい異議申し立て運動が爆発した。 77年の数々の反乱が今日の私たちに宛てて発信していた、 革新的・破壊的なメッセージを、 メディア・アクティヴィストであるビフォが描きだす。
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1977年こそが、新しい時代への移行の年である。
77年は、イタリアにおいて、 自律的・創造的な運動(アウトノミア運動)の力が、 社会のただなかで試された年であった。
と同時に、労働過程の不安定化、社会関係の喪失、 うつ病の浸透が日常となる暗い未来の姿を、 目撃しはじめた年でもあった。
「ポストモダニティ」や「弱い思想」といった概念は、 この年月に姿を見せる。
幸福と絶望――本書では両方に視座をおくことで、 77年運動の問題系を検討する。 その幸福と絶望とは、 私たちがいま生きているこの現実の 「予兆」だったのだから。