文字と文明の発達の密接な関係から見て、今日なお多く存在する"無文字社会"の歴史的性格を究明することは、人類文化における文字社会の位置付けの再検討に通ずる。本書は、西アフリカ・モシ族の現地調査の成果に基づいて無文字社会の性格を見事に分析したものであり、わが国における文化人類学の記念すべき達成といえよう。