昭和二十年三月十三日、大阪に一回目の大空襲が起きた。木中房枝、正男、藤岡さんなど市井の人々は、防空壕に逃げ込み、必死で生きていこうと苦悩する。しかし、それから何度も空襲が起こり、八回も大阪府の人々は爆撃に遭う。そして、そのあとに残ったのは、残酷な真実だけであった――あまり知られていない大阪大空襲の様子が綴られた渾身作。