兜巾、白衣の結袈裟、錫杖をつき、笈を背に法螺貝をふく、いまでも出羽三山、大峰山中に出没する山伏-。年二回先達に従って入峰し、水断、穀断、懺悔、相撲などの苛酷な修行で体得した験力により、加持祈祷の呪法を行なう彼らのなかには、中世の最盛期を過ぎると修行を忘れ、まじない師に堕するものもあらわれた。本書は、民間信仰に仏教が結びついて完成された修験道の真髄を、山伏の奇怪な行事、生態のなかにさぐる。
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