若い作家・野島は、劇場の廊下で初めて杉子を見たときから、その美貌に心を奪われてゆく。彼のひそかな思いを知った年上の友人・大宮は、恋の成就のために力を貸すことを約束した。しかし、意外なことに杉子の思いは大宮に傾いてゆく…。友情と愛情、恋愛と失恋を描いた近代日本文学の代表的青春小説。