宮廷文化に傾倒し武芸軟弱を以て侮られた鎌倉三代将軍源実朝は、庶民に共感する単純強靱な歌を詠んだ。それは何故生まれたのか。その実体に迫る過程で著者が見たものは「絶対的孤独者」の魂だった。死と直面し怨念を抱えて戦争の日々を生きぬいた著者が、自己を重ね人間の在り方と時代背景を鋭く考察。時を越えて共有する問題点を現代の視点で深く追究した画期的第一評論。