二つ目・寿笑亭福の助のかつての弟弟子が、故郷で初めての独演会を開くにあたり、『芝浜』の稽古をつけてほしいと泣きついてきた。有名な演目ながら、ついに高座にかけずに終わった大家もいるほど口演が難しい人情噺に、弟弟子がこだわるのには深い事情があった……。弟子のために一肌脱ぐ覚悟を決めた福の助だったが……。落語を通じて謎を解く! 表題作を含む痛快落語ミステリー三編。〈解説〉加藤浩【目次】野ざらし死体遺棄事件/芝浜謎噺/試酒試(ためしざけためし)