鋳掛け屋の太兵衛が死に、葬式になぜか東町奉行所与力が弔問にやってきた。かつて太兵衛は東町奉行所の付同心をしていたという。ある捕物の夜、盗人の隠れ家へいっせいに踏み込もうとしていた時、太兵衛の幼い息子の仁助が蛍を捕りにきていて、父親に声をかけ、捕物は失敗に終わったのだ。太兵衛は出仕に及ばずということとなり鋳掛け屋となったのだが、町の情報をつかみ、町番屋に知らせていたのだ。曳き人足となった仁助がとった行動とは…。