作家は何を読んできたのか、それらは人生にどんな影響を与えたのか。最強の「中二病」小説、それぞれの青春時代の読書、価値観をひっくりかえされた本、国語辞典の「読み方」など……6人の小説家が自身をふり返り、おすすめの本と独得な読み方を紹介するユニークな読書案内。うち1冊は自己紹介をかねて自作をとりあげる。中日新聞/東京新聞夕刊での好評連載を書籍化。巻末には6人の執筆者へのQ&Aも収録。
●目次(執筆者と取り上げる作品)
1)中村文則 自作「教団X」/人間失格(太宰治)/砂の女(安部公房)/沖縄ノート(大江健三郎)/サラバ!(西加奈子)/俘虜記(大岡昇平)/百年の孤独(ガルシア=マルケス)/カラマーゾフの兄弟(ドストエフスキー)/審判(カフカ)/素粒子(ウエルベック)
2)佐川光晴 自作「おれのおばさん」/吾輩は猫である(夏目漱石)/どくとるマンボウ青春記(北杜夫)/同時代の作家たち(広津和郎)/オーウェル評論集(オーウェル)/歩行者の夢想(秋山駿)/俘虜記(大岡昇平)/丸山眞男集(丸山眞男)/よろこびの日(シンガー)/忘れられた日本人(宮本常一)
3)山崎ナオコーラ 自作「ボーイミーツガールの極端なもの」/岩波国語事典/本格小説(水村美苗)/オレがマリオ(俵万智)/長野陽一の美味しいポートレイト(長野陽一)/すゞしろ日記(山口晃)/吉野葛(谷崎潤一郎)/宇宙(ポプラディア大図鑑)/フラニーとズーイ(サリンジャー)/忘れられた巨人(カズオ・イシグロ)
4)窪美澄 自作「さよなら、ニルヴァーナ」/ねむり(村上春樹)/ゆずこの形見(伊藤たかみ)/津軽(太宰治)/ミッキーは谷中で六時三十分(片岡義男)/歩道橋の魔術師(呉明益)/火宅の人(檀一雄)/花芯(瀬戸内寂聴)/楡家の人びと(北杜夫)/ナイルパーチの女子会(柚木麻子)
5)朝井リョウ 自作「武道館」/一瞬の風になれ(佐藤多佳子)/殺人出産(村田沙耶香)/神田川デイズ(豊島ミホ)/路(吉田修一)/降り積もる光の粒(角田光代)/アンダー、サンダー、テンダー(チョン・セラン)/反乱のボヤージュ(野沢尚)/ひとりずもう(さくらももこ)/雪沼とその周辺(堀江敏幸)
6)円城塔 自作「道化師の蝶」/源氏物語(紫式部)/舞姫(森鴎外)/高野聖(泉鏡花)/吾輩は猫である(夏目漱石)/羅生門(芥川龍之介)/陰翳礼讃(谷崎潤一郎)/人間失格(太宰治)/雪国(川端康成)