朴正煕大統領はなぜ、最側近だったKCIA部長に殺害されたのか。18年におよぶ朴正煕政権が幕を閉じ、それにつづく13年間の全斗煥・盧泰愚政権を誕生させた決定的瞬間、1979年10月26日の暗殺にいたる大統領の最後の24時間を、綿密な取材によって再構成。カーター「人権外交」の圧力、釜山・馬山の反政府暴動、野党新民党総裁・金泳三の議員職除名問題、部下たちの忠誠心争い。大統領を取り巻いていた内外の状況を重層的に描きだしつつ事件の真相に迫り、事大主義を排して韓国型民主主義の実現をめざした朴正煕大統領の、清廉孤高の人間像をも浮き彫りにしていく。韓国有数のジャーナリストによる力作ドキュメント。