本特集は、実践の場に立つ研究者や当事者による描写に依拠しながら複雑に個別化するヤングケアラーの状況を詳らかにし、諸問題の根源にある家族主義的な福祉の構造やその余波に敷衍する反出生主義の意識に思索の端緒を見出す。そうして、公的福祉の果たすべき責任を建設的に批評しつつも、民間の支援団体、地域住民、そして学校においても支援の手立てを模索する。