紙上に生みだされ、崩壊してゆく36の空想都市たちカルヴィーノ『見えない都市』と同時期に構想され、SFの女王ル=グインも愛した東欧の異才による珠玉の掌編集ヴァヴィロン(格差市)、アラパバード(憧憬市)、ヴァーティシティ(垂直市)……36もの短い断章から浮かびあがる、架空都市、幻想建築、そして虚像国家の創造と崩壊。カルヴィーノ『見えない都市』に先駆けて発表され、一読したアーシュラ・K・ル=グインが自ら翻訳を熱望した、ルーマニアの鬼才の知られざる傑作がついに文庫化。