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  • 著者宮本匠
  • 出版社世界思想社
  • ISBN9784790717942
  • 発行2024年10月

「みんな」って誰? / 災間と過疎をのびのび生きる

「ひとごと」⇒「われわれごと」
人口減少と高齢化が進む社会で、災害に見舞われた地域はどう活力を取り戻したか。「みんな」(=空気)のチカラを知り、右肩下がりの時代を豊かに生きるための実践的ガイド。20年にわたる実践研究に基づいて、組織と自分を変える新しい方法を提案する。
【「はじめに」より】
「世の中これからどうなるんだろう」「日本社会の未来って、なんだか不安だなあ」そんな気持ちをいだくことはありませんか? はじめからそんな不景気な話やめてくれよと思ったあなた、ちょっと待って。この本は、そんな不景気な話を景気のよい話でごまかすのではなくて、世の中が右肩下がりになっても、それでも気持ちよくのびのび生きていくことができるとしたら、それはどのようにできるか考えるために書きました。
ヒントをくれるのは、災害に見舞われた被災地。それも、災害がおきる前から、人口減少や高齢化が進んでいて、災害からの復興にあたっても、明るい未来を描くことが難しかったような被災地です。被災地では、最初は、もうだめなんじゃないかという諦(あきら)め感や無力感がただよっていました。けれど、さまざまな取り組みのうちに、雰囲気が変化していきます。やがて、人口減少がとまったわけでもないし、高齢化もいっそう進んでいるのに、被災した人が「復興した」「過疎がとまった」と胸をはるようになりました。それはなぜなのか。ここに、右肩下がりの時代をすこやかに生きていくヒントがあると思います。
ですから、この本はたしかに過疎が進む被災地での災害復興の現場をおもにあつかっているのですが、そこから考えたいのは、災害復興のことだけでなく、右肩上がりに「よくなっていく」ことが想定しづらいことがらについて、私たちがどのように向きあえるのかです。
【本書の特長】
①空気が変わるしくみを解明
災害復興の事例だけでなく、アンデルセンの「裸の王さま」や、柳田國男の『遠野物語拾遺』のエピソードもとりあげて、「みんな」(=空気)がどうやって変わるのか、自分がどうやって変わるのか、そのメカニズムを解明し、わかりやすく伝えています。
②グループ・ダイナミックスの実践的活用
MBAカリキュラムにも組み込まれているグループ・ダイナミックスの土台となる考え方を紹介し、組織や地域での変化を促進するための具体的なツールと方法を提供しています。内発的なプロセスを重視し、外部に頼らない持続可能な活性化が可能になります。
③災害復興のリアルなな事例にもとづく原理・法則
新潟県中越地震の復興プロセスをエスノグラフィを通じて詳細に描写し、実際の現場での取り組みや課題をリアルに伝えています。深く分析して、他の問題や他の地域にも共通する原理・法則を抽出しているので、ソーシャルデザインや村おこしに役立ちます。
④対話形式での読書体験
問いかけを通じて読者が自分自身の考えを深める形式をとっています。単なる受け手としてではなく、能動的に本の内容に関与することができます。

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