金の誘惑にひかれた婚約者鴫沢宮に裏切られた一高生間貫一は、学業を止め、金力の鬼、金色夜叉となって社会に報復しようとする。しかし、心は充たされない…。最晩年の尾崎紅葉(一八六八‐一九〇三)が心血を注いだ、渾身の大作。