ソ連社会主義体制の崩壊にともなって冷戦体制が終結し、経済力優先の時代が到来した。先進国間だけでなく、先進国と途上国、また途上国同士の間においても熾烈な「経済戦争」が展開し、世界はさまざまな紛争が噴出する不安定な状態に突入した。そのようななか、弱い立場の途上国の疲弊は深刻化の一途を辿り、さらに地球規模の深刻な環境破壊が事態の悪化に手を貸している。ソ連・東欧圏の途上国化という新たな情況をも見据えながら、この地球的課題解決の糸口を、多角的に探る「地球時代」の新しい世界経済論。