幕藩制が解体し、新しい統一国家が形成される。その過程の中で、天皇は国家機構の中でどう位置づけられ、またどのような天皇像が作られていったのか。著者長年の研究をふまえて、多数の史料の丹念な解読と平明な叙述で明治維新の全体像を描く。同時に、百年前の史料にじかに触れ、時代の雰囲気を感じとる楽しみへと読者を誘なう。