江戸の面影を残す明治中期の東京下町に生まれ育った谷崎潤一郎が、生い立ちから小学校卒業までの暮らしを愛着をこめて描き出した回想記。団十郎や菊五郎の芝居見物、少年の日の読書など、谷崎文学を読み解く話がいっぱいつまっている。「私の「幼少時代」について」を付す。