1891年5月11日、滋賀県大津で折から来遊中のロシア皇太子が警備の巡査津田三蔵に襲撃されるという事件が突発した。著者は、豊富な資料を駆使して、この事件によって照らし出された明治国家の権力構造を鮮やかに描き出してゆく。司法権の独立をめぐる有名な大津事件を総合的に叙述した唯一の書。