250年余にわたり江戸時代人の心をとらえ続けた歌舞伎は、その壮大な虚構宇宙を彩る味わい深い術語群を生み出した。中には「捨てぜりふ」「板に付く」「茶番」など、現代語に定着しているものも多い。さまざまな言葉を手がかりに歌舞伎という芸能の奥深くへ分け入り、その魅力の源泉を読み解く。『歌舞伎のキーワード』の姉妹編。