1910年のある日、世界地図を眺めていたウエゲナーは、大西洋をはさんだ両大陸の海岸線がジグソーパズルのようにピタリと照応するのに気づいた。「大陸移動説」の着想が生まれた瞬間である。その後幾多の曲折を経て、「移動説」は現代地球科学の基礎理論として重要な地位を占めるに至った。本書はウエゲナーの原テキストを竹内博士が全訳し、各章ごとに詳細な補足・解説をほどこした"決定版"である。