異端と自己研鑽のDNA 荻村伊智朗伝世界遺産的日本人「オギムラ」その劇的なる生涯とそれを支えた献身の物語。荻村がシドと向き合ったのは、日本チームが4対2と大金星に大手をかけた局面だった。試合前、荻村はベンチにいた女子代表の江口冨士枝に向かって言った。「おい、江口、今からあいつのどてっ腹にノータッチでスマッシュをたたき込んでやるから、何発たたきこめたか、しっかり数えていてくれ」――<第3章『トタン屋根の猫とローレライ』より>