巨匠ストラディヴァリによって製作された幻のヴァイオリン、デュランティが売りに出された。幸運にも試奏を許されたヴァイオリニスト、千住真理子は、この名器に運命的なものを感じる。どうしても手に入れたい。だがその値段は億単位。途方にくれる真理子と母の背中を押したのは、画家と作曲家である二人の兄だった-。芸術家兄妹を育て上げた母親による、家族の愛と奮闘の記録。