寛政期から文化文政期に至るダイナミックな時空に湧立つ「蝦夷大王」の大いなる幻影…。移封される藩の運命を担いつつ、詩画の世界にこころあそばせた、家老・波響の豊かなる人間像-。気品と官能性にみちた芸術世界。小説家の予見と想像力によって初めて照射された一貴人の真価。