1956年メルボルン・オリンピック、慶応義塾大学端艇部エイトクルーの9人は、準決勝進出を成し遂げた。これは、オリンピック史上、日本ボート界で最高の成績である。それから半世紀、男たちはかつてしのぎを削った各国の選手たちとふたたび戦うためにメルボルンに向かう。彼らの胸にいま去来するものはなにか…。「一艇ありて一人なし」といわれるほどボートに魅せられ、ボートに明け暮れた男たちの人生の航跡をたどるノンフィクション。