1980年代に加速した中南米、アジアからの移民の大量流入は現代アメリカの国論を分裂させる最大の難問となっている。とりわけ不法移民は白人中間層の不満と憎悪を煽り、カリフォルニアでは住民投票「プロポジション一八七」を成立させた。アメリカの理念と夢は砕け散ったのか。アメリカ都市社会の先行指標的存在である人種のモザイク都市ロサンゼルスを舞台に、徹底した取材でアメリカが直面し、明日の世界が迎える課題を考える。