戦後、抗生物質の登場によって難聴の原因となる中耳炎は減ったが、ストマイ難聴を生み出した。現在は種々の原因による難聴が多く存在し、ふえているものもある。本書は最新の耳科学の成果にもとづき、きこえ方の仕組みから説き起こし、難聴の原因、診断、治療、予防を具体例豊富に詳述し、ハイテクを駆使した補聴器や人口中耳・内耳を紹介する。騒音が軽視される日本で、もっと音と耳と難聴に関心を持ってほしいと強調する。