男を惑わせ、じらし、振りまわし、最後には破滅に追いやる、美しくも恐ろしい「宿命の女(ファム・ファタル)」。太宰治、泉鏡花、谷崎潤一郎、有島武郎から『マノン・レスコー』『カルメン』『サロメ』まで、小説とオペラに現れる彼女たちの本性を徹底分析し、女性そのものの本質に迫るスリリングな論考。