出来ることなら――もう終わりにしましょう。死人の数が多すぎる。ただ、僕はこれで真犯人の大計が阻止できるとも思ってはいない――。「あなたが――蜘蛛だったのですね」。桜の森の満開の下に響く京極堂の声。いまや恐るべき大計は成就した。だが、何故にかくも累々たる骸が晒されねばならなかったのか。神代の昔から続く理を開顕した陰陽師の発する哀しい問いに「真犯人」の答えは……。古今未曾有、瞠目の構造(テクスト)を織り上げた京極文学の金字塔。