本邦初のドイツ歴史小説論。十九世紀初頭の歴史小説の成立から、シュティフター、マイヤー、フォンターネ、ラーベ、ブレヒト…とつづく作品群を解説した。さらにバルザック級と評されるアレクシスの祖国小説の再評価、デーブリーンがスパルタクス団の一揆の挫折を壮大なスケールで描いた「ドイツ革命」の小説を紹介している。