何ごとにつけても耽溺しなけりゃ意味がない。芸能、映画、ジャズに対する色川武大の幼いころからの傾倒ぶりは、まさに壮絶のひとこと。林家三平、古川ロッパなど、芸人たちへの視線は、「規範」を重んじる姿勢と、社会をはみ出してしまう生き方への共感から、ときに厳しく、ときに暖かい。ノスタルジーのみならず、「芸」の本質を射抜いた名エッセイ群をここに集結。