わが国が「国際法上、保有しているが、憲法上、行使できない」とされる権利-集団的自衛権。この珍妙な政府解釈は、いっさい憲法上の根拠を持たないうえに、国際法の現状とも一八〇度食い違う。なぜ歴代内閣は、この欠陥解釈を墨守しつづけるのか?本書は日米安保条約、七〇年安保騒動、新防衛ガイドラインをめぐる国会論戦を歴史的に検証するなかで、政府解釈の奥に巣くう「日本的バイアス」を白日のもとに曝す。内閣法制局の「政治性」が、わが国の防衛政策を歪め、日米同盟を危機に陥れる-。