明治の牛鍋、カツレツ、大正のカフェー…。日本人が出会ってから百年。愛され続けた老舗の変わらぬ味と心意気。伝統を支える店主たちの話に耳を傾ければ、古き良き時代がよみがえる。本書は、浅草、神田、銀座、深川界隈を歩き、明治・大正を感じさせるお店を訪ねたカラー新書。「魂の銭湯」と呼ばれた牛鍋屋。谷崎潤一郎も愛した鳥料理店。芸者さんや「銀ブラ」女性に人気の洋食屋…。創業秘話や、文人墨客たちが綴った美味礼讃は、もう一つの日本近代史である。懐かしい味と逸話に、至福のひとときを。