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  • 著者アラン・R.ミレット ピーター・マスロウスキー 防衛大学校戦争史研究会
  • 出版社彩流社
  • ISBN9784779115882
  • 発行2011年7月

アメリカ社会と戦争の歴史 / 連邦防衛のために

"先住民との戦いと植民地戦争から独立戦争、南北戦争、第二次世界大戦、冷戦から湾岸戦争まで, アメリカの歴史は、“戦争の歴史”でもあった。個人主義、楽観主義、起業家精神、自由放任主義、民主主義、強迫観念、移り気な社会というアメリカ的特質を底流において見えた新しい軍事史。
訳者あとがき────────────────────────────────────────
 本書は、Allan R. Millet & Peter Maslowski, For the Common Defense: A Military History of the United States of America の全訳である。本書の翻訳にあたったのは、防衛大学校の防衛学群に所属する教官有志である。本書の翻訳に取りかかってから、とても長い期間が経過してしまった。その間、人事異動によって翻訳担当者が防衛大学校の教官から別の職務に就くことがあったが、基本的には引き続き翻訳業務を遂行した。
 本書には、このような本来の職務の傍らに大勢の人々が大きな努力を払って翻訳する価値が本当にあるのだろうか。その理由の一つには、現在、アメリカの軍事史に関する権威のある通史が本書以外には存在しないことがある。アラン・ミレットとピーター・マスロウスキーの二人の大学教授は、現在のアメリカを代表する軍事史家であり、その点で、本書を「権威のあるアメリカの軍事に関する通史である」と称することは誤りではない。また、本書はすでに1984年に出版されており、この度の翻訳の対象となった著作は一九九四年に出版されたものである。したがって、本書は、これまでの十分長い間、歴史の評価を受けてきたといえるであろう。
 しかしながら、1994年から今日に至るまでに様々なできごとが起こり、その中には9・11ニューヨーク同時多発テロのような重大な事件が含まれている。したがって、アメリカの軍事史として、このようなできごとに対する何らかの補足が必要になっているではないだろうか。このような不安があったので、日本語版の序文を依頼する際に、1994年版が出版されてからの変化を補足するような序文を著者にお願いした。一方、改訂に関する著者の見解は、「大幅な改訂の必要性はない」というものであった。もちろん、歴史的な経験の解釈がその都度の眼前の状況に応じて変更を迫られる事態はそれほど多くはなく、9・11事件やその後のできごとへの対応もまだ歴史的に評価するまでには至っていない。ミレット教授は、このようなわれわれの要求に対して、長文の序文をもって懇切・丁寧に答えてくれた。
 ここで、本書の特色について述べておこう。本書は、アメリカの軍事的な成功の歴史だけを取り上げたいわゆる国威発揚のための著作ではない。そうではなくて、本書は、アメリカの軍事史を一般的な政治、経済や社会の歴史の中でとらえる、「新しい軍事史」の中に

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