忘れたい記憶、忘れ得ぬ風景。進歩と発展、そして虚ろな狂躁。「昭和」とは旧きよき時代なのか、懐しい日々なのか、それとも苦い心の傷なのか。旧懐、苦笑、共感、寂寥、希望、そしてニヒリズム。色合いも味わいも複雑な、読書の喜びを満たす一冊。ほろ苦い懐しさの随想小品集。