タ テ タ テという音がなったが、人が戻った音でも 雨粒が落ちた音でもなく、参列にきた狐が(意味も分からず)狸の背をたたいているのである(「柳田國男の死」)幽明の、生物の、時空の境をこえ、詩想を自在に羽ばたかせる。2016年度現代詩手帖賞詩人による、待望の第1詩集。