我々の関心は、芸術の個別的価値を強調する自律性ではなく、また芸術が他の文化諸価値によって、規制される他律性でもなく、芸術を総体的な生の連関の中にとらえる汎律性にある。この問題について始源美術は豊かな指標を与える。芸術活動はどのようにして起ったのか。もしそれがもともと機能的な活動であったならば、なぜ美とは無関係な記号から芸術的特質がうまれたのか。