米国では、望まない人物を含む部外者による侵入や接触を防ぐため、 近隣住区を外壁で取り囲み、ゲートを設置する『ゲーテッド・コミュニティ』の是非を問う論議に多くの市民が参加している。 ゲートは、犯罪阻止や安全確保といった、より広範な市民の問題や要求に応えている。 都市の過密地区では何らかの方法で出入りを制限することが安全保障に必要であろう。 しかしながら、ゲートがもたらすトータル・セキュリティの概念は見せ掛けのみであり、 殺人事件は外壁で囲まれた住宅地内でも起きているし、強盗や破壊行為の問題も変わらず続いている。 本書は、『ゲーテッド・コミュニティ』の現実と課題を、様々な情報を元にわかりやすくまとめた一冊である。