本書は大学低学年の理工系の学生を対象としているが、内容を選択的に利用すれば、高専を含めて非専門の学科や学部、あるいは文系の学部でも利用できると考えている。第1章は予備的な章として、論理的な記述とその理解を助けるため、必要な用語と記号について簡単に説明した。第2章は、離散数学の論理的な記述に欠かせない帰納法と、形式言語の導入的な部分をまとめた。第3章は、視覚的な表現としてきわめて広範に用いられている離散グラフについて、基礎的な部分をまとめた。後半は木グラフを中心に、形式言語との関係も示した。第4章は、有限オートマトンについて、入門的な事項を中心にまとめた。第5章は、文脈自由文法と正規文法を中心に、形式言語の理論について解説した。