光物性は光、原子、電子などを念頭においたミクロな観点から光学現象を説明するものであるから、光物性の研究には光についてはもちろんのこと、原子的レベルで見た物質についての量子力学的な知識が必要である。このため、本書ではこの立場から光そのものについて解説した後、物質として固体結晶をとりあげ、光物性を学ぶのに必要なその性質、特に励起状態について考察し、その結果をふまえて、光と固体との相互作用の結果として現れる固体の光学的性質をしらべる。本書は、これから光物性を勉強しようとする人たちに必要な基礎知識に重点をおいて述べた入門書で、その内容は最初から最後に向かい一貫した流れに乗って展開されている。