長い歴史をもつ非線形波動の研究は、ソリトンの発見を契機として急速に発展した。いまやこの分野は、工学での応用、計算機の利用、新しい数学などとも密接に関連し、学際的な広がりをみせている。また最近、量子論への拡張を通して、統計力学も含めた厳密に解ける模型が、ソリトン理論の枠組みで議論できるようになった。本書は、波動の基礎事項から結び目理論など最新の成果までを、統一的な立場から明快に解説する。補章として長距離相互作用をもつ量子可積分系、曲線の運動など今日の課題を説明する。