半世紀をはるかにこえる「昭和」。戦争に始まり、その破壊の中から巨大な産業化をなしとげた激動期。それは障害を持つ者およびその家族にとっていかなる時代であったのか。本書は、新聞報道を通じて、一人ひとりがたどらざるをえなかった「ころし」の情況と構造を明らかにする。それを通じて、障害を持つ者およびその家族が、「悲惨」と「絶望」の淵から、自己の存在肯定の門口に立つことになったと本当に言えるかどうかを、鋭く問う。