• 著者ハンス・ジョージ・メラー 吉澤夏子
  • 出版社新曜社
  • ISBN9784788515536
  • 発行2018年1月

ラディカル・ルーマン / 必然性の哲学から偶有性の理論へ

◆ルーマンより面白い「ルーマン入門」  ルーマンは現在もっとも難解な著作を書いた思想家とみられています。彼の思想を理解するのは容易ではありませんが、著者は、ルーマン思想の核心をラディカリズムと喝破し、その思想を巧みな比喩やシニカルなユーモアを交えながら明快に語ります。知の体系の確立者ヘーゲルと対比しながら、ヘーゲルが宗教という偶有的なものを「必然性の哲学」によって止揚したとするなら、ルーマンはヘーゲルを「偶有性の理論」で止揚したと、思想史的独自性を明らかにします。また、ルーマンが混迷の時代に有効である理由を、システム論的な「偶有性の思想」に求めます。民主主義についても、そのイデオロギー性を知らないと危険だと指摘します。あまりに明瞭すぎるルーマン像に専門家からは反発が出そうな、しかしなるほどと思わされる、知的刺戟にみちた「ルーマン入門」です。

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