亡き父に代わり、わたしを育てた従兄アンブローズが、イタリアで結婚し、そして急逝した。わたしは彼の妻だったレイチェルを、顔も知らぬまま恨んだが、彼女に会うやいなや、心を奪われる。財産を相続したら、レイチェルを妻に迎えよう。が、遺された手紙が、その想いに影を落とす……アンブローズは彼女に殺されたのか? 壮麗な庭園を背景に、せめぎあう恋と疑惑。もうひとつの『レベッカ』として世評高い傑作,新訳でここに復活。訳者あとがき=務台夏子