敗戦国の少女には、豊かで明るいアメリカン・ライフがどんなに輝いて見えたことか。故郷長野に自分の生きる場所はないと思い決めた日から、ユリコはアメリカへの道を歩みはじめていた。米軍メイド、オンリー、米軍秘書、ダンサー、クラブホステス、そしてそれらをふり捨てるためのニューヨーク行。アメリカの男を愛し、アメリカの男に惑わされつづけたユリコ。しかし、ある時期から彼女はアメリカの男の偶像に転化する。愛しくも苦渋にみちた「ニッポンの女」の40年をつづる、書き下ろしノンフィクション。