今、わが国の地方自治を巡る情勢が大きく動いています。平成の大合併により、市町村数が3232から1820にと減少し、また、「中央から地方へ」のスローガンのもと、国と地方自治体の関係が上下のタテの関係から対等のヨコの関係へと変更されました。さらに、財政面から地方分権を推進するため「三位一体改革」も、その形が整えられました。この改革により増加した権限、財源のもとで、地方自治体は「自己決定と自己責任」の原則に基づいて行政を行うことができるようになりました。そこで、大きく変貌している現在の姿を含めて、地方自治のシステムをわかりやすく説明し、はじめて地方自治を学ぼうとする者が、地方自治制度のアウトラインを理解し、さらに、地方自治に興味を持ち、より深く研究しようとの意欲が湧くように、との思いから本書を執筆しました。