オーストリアの首都ウィーンは、長いあいだ、音楽、美術、建築など、芸術の街として知られてきた。絵画の修復を学ぶため、ここで6年間を過ごした一人の日本人女性にとって、ウィーンはどんな街だったのか?住宅事情、買い物、大学生活、徴兵制度、貴族社会、外国人や下層階級の人々の日常などを真摯に見つめながら、EC加盟や近代化の波に洗われて変貌を遂げてゆくウィーンの実像をくっきりと描く。