シェイクスピア『テンペスト』、マーロウ『フォースタス博士』、グリーン『ベーコン修道士とバンゲイ修道士』-。これらイギリス・ルネサンス演劇を代表する作品には、ひとつの共通点がある。それらの最も魅力ある登場人物が魔術師であることだ。精霊と交わり宇宙の神秘を探究する魔術師の生態を、その起源から、ネオプラトニズムやオカルティズムの影響下での成熟、そして消滅まで、精密に分析し、ルネサンス的人間像の核心に迫った画期的な研究。