無類の旅好きは、気の向くまま世界をめぐる。複数の民族と文化が共存する東欧。土地土地の生活習慣が今も息づくイタリア。温泉と山と漢字の国、台湾。回り道に寄り道ざんまい。しがない酒場へ、理髪店へ、古書店へと足を運ぶ。ある時は、にわか中国語を駆使してマカオの花売りに変身。ヴェネチアではサッカーの勝敗を言い当てる男に会う。バルト海の港町では海難事故で生き残った船長のことを知り…。「一人旅はヒマなので、あらぬことを考えたり、よしない空想にふけったりする。現実の旅以上に旅先で思ったことが、もう一つの旅になる」これらの旅は現実か?それとも夢想?いずれにしろ何気ない道行きが思い出を作る。ガイドブックには載らない極上の旅22篇。